
式包丁は、手を材料に触れずに魚や鳥などを料理する儀式です。宮中の大礼儀式のときには、必ずこの式包丁が行われ、天皇や貴族に披露していたそうです。燭光の儀、お絹取りから始まり、豊作祈願を祝う「五稲の鯉」、梅花祭で行われた儀式「紋章の蛸」、当時公家たちの宴席で行われた儀式「片身造里の鯉」、豊作の祭に行われた儀式「大鯰」、長寿の祝の儀式「豆腐長寿切り」、荒波を越えて一人前になるという目出度い時に行う儀式「波越の鯛」が奉納されました。
鯉や蛸、鯰、豆腐、鯛が包丁と真魚箸(まなばし)だけで見事にさばかれていく光景に訪れた参拝者は魅了されていました。